念願のヴァイオリン購入(2003年12月)。チェロ弾きしています。ヴァイオリン弓が欲しい..。




拡大図です。
一応、音のサンプル...。Vn歴短い(1ヵ月ほど)ので音程悪いです。
Download 2.3M(インフェルド赤 + ゴールドブラカット; チェロ弓)
(このページの録音サンプルは、すべてWM61A改+MDによるものです)




楽器本体について

見た目も音も(?)結構いい線行ってると思いますが、信じられないぐらい安い楽器です。倍近い価格をつけている業者もいるようですが、ケース + 肩当(BonMusica)とあわせて20万円しませんでした。いままで10〜20万円ぐらいの安いヴァイオリンをずっと探していたのですが(鈴木、ヘフナー等)、なじみの楽器屋さんにずっとやめておけと言われ続けて諦めていました。ヘフナーの10数万円のものは弾いてみたこともあります。で、ようやく性能のよい廉価楽器が登場したのがこれということです。当然のことながら量産楽器です。ただ、量産ですが、一台一台微妙に異なります。見た目はもちろんですが、重量にわりとばらつきがあります。なお、何人かのプロの意見では、50万円クラスの音は出ているとのこと。まあ、一口に50万クラスといっても、当然のことながら恐ろしくバラツキがあり、シビアに選定された50万クラスにはかなわないと思いますが。
この楽器は非常に弾きやすいところがよく、初心者の方には特にお薦めできます。この楽器と、下で書いた激安カーボン弓(1万8千円!!!)なら、悪くないと思います。
なお、もう少し予算がある、という方は、私のなじみの楽器屋さん(関西)ですが、半ば量産、半ばハンドメイド(?)なオリジナルの楽器を30〜40万円ぐらいで製作されています。これもかなり良いようです。検討される方はメールでも送ってください。私のこの楽器も、その楽器屋さんのところで、本体のほか、ペグ、テールピース、肩当、アジャスター等すべて自分の好みのものを選ばせてもらったものです。



使用弦

最初の1ヵ月ほどはとりあえずということで、インフェルドの赤(+ゴールドブラカット0.27? 0.26かも)でした。1ヵ月後、ラーセン(Mittel; Gのみシルバー・Eスチール)を試してみました。音色の違いはかなり大きく、インフェルド赤は明るくシャープで厚みもある音(青はもっと明るいのかな?)、ラーセンはガット系を思わせる渋め・柔らかめの音です。私はチェロではラーセンはあまり好きではないのですが、ヴァイオリンでは悪くないです。でも、好みはインフェルドかな、というわけで、結局インフェルド赤 + ゴールドブラカットに戻しました。
その後、E線をトーマステック社のe01(カーボンスティールに錫のコーティング、らしい)に換えてみました。これはゴールドブラカットより張りがある音ですが、トーマステック社の一番線の特徴か、少し固く、音色が少し単調に聞こえます。これを張ると、インフェルド赤のADGが随分柔らかく感じます。で、固さが気になり、今度はE線もインフェルド赤にしました。これは先のe01ほどは固くなく、ゴールドブラカット0.27よりは少し固めですがしっかりした音です。しばらくオールインフェルド赤を試しました。
オールインフェルド赤は、デッドな部屋・チェロ弓によるチェロ弾きには合っていたようですが、少し広めのカラオケショップで二胡の弓で弾いていると、元の楽器の安っぽい音色が少し聞こえるようでした。そこで試しに、上のラーセン(Mittel; Gのみシルバー・Eスチール)に戻してみました。GDAは安っぽい響きが解消され、良くなりました。特にG線が渋みのある音で、響く場所で聞くと心地よい音です。但し、ラーセンのスチールのEはあまり良くありませんでした。
というわけで、結局、今は
GDA ラーセン(Mittel; Gのみシルバー)
E線 インフェルド赤
です。DAにラーセンのシルバー巻を試す予定です。E線のインフェルド赤は、ラーセンのGDAより張りのある明るめの音で、バランス的にはゴールドブラカットのほうがいいかもしれません。

さて、その後、E線を交換してみました。まずは、ゴールデンスパイラル(ミディアム; スズメッキカーボンスチール)です。私の楽器では開放弦が少し安っぽい音になりますが、押さえるとわりといい音です。明るい音色です。しばらく弾いてから、ゴールドブラカット0.27(新品)にしました。ゴールデンスパイラルのあとでこれを弾くと、随分と地味な音色に感じます。渋いというより、少し抑圧したような地味な感じで、ゴールデンスパイラルに戻しました。ゴールデンスパイラルと、インフェルド赤では、インフェルド赤のほうが良いと思いますが、何日かゴールデンスパイラルを試すつもりです。

と、ここまでで2ヶ月ぐらいですが、やたらと弦を交換しています^^;
これは現状に不満があるというより、チェロではなかなかやりずらい弦交換遊びが楽しくて...(チェロ弦は高いし、張り替えるのがしんどいですが、ヴァイオリン弦は安いし、張替えがあっという間です)



その後。

GDAはラーセンのまま、その後、E線はコレルリを試しました。コレルリは、柔らかいほうと固いほうの両方を試しましたが、どちらもそれなりに使える印象でした。ラーセンとの相性も悪くはなく、ちょっとゴールドブラカットに通ずる地味さはあるものの、比較的扱いやすい弦でした。 そのまま、半年以上使い続け、現在はヴィジョンを使用しています。これはトーマスティック社のシンセティック弦で、インフェルドの格下扱いのようですが、E線が高価です。この高価なE線ですが、柔らかい音がします。キンキンとした音にならず、よく伸びる柔らかい高音で、音量的にはそれほど大きくはないようですが、気に入り、いまはこれを使っています。下3本(GDA)は、トーマスティック社らしい、「あまり考え込まないシンプルな音色」という感じで、ラーセンと比較すると少し寂しい感じもありますが、まあとりあえずセットで買ったのでそのままこれを使っています。最終的にはこの楽器にはラーセンでいいかな。


弓その他

チェロ弾きしており、弓はチェロの弓を流用していましたが、最近、二胡の弓を試しています(1万円以下で買えます)。非常に軽く、部屋で弾くと頼りない音ですが、独特の線の細い音になって面白いです。下のサンプルは、二胡の弓で弾きました。

デュオ(インフェルド赤gda + ゴールドブラカットe)
デュオ(ラーセンgda + インフェルド赤e)

なお、二胡の弓ですが、弓材というより毛そのものの音を聞いている感じに近く、松脂による音の変化がわりと大きいようです。松脂は以前に薦められて購入したコハクを試しましたが、この松脂はしっとり度が強く、松脂の音がしすぎるところがあります。今はとりあえず手持ちのGold Silverを使っていますが、近々アルシェを試します。

ウェットカーボンの弓で激安優良弓が出たらしいので、近々購入する予定です。





ついでにチェロについて..

試して効果があったアクセサリー

(1)カーボンシャフト+新構造のエンドピン(BENDER)
お薦め。明らかに発音がよくなります。「重厚で金属的な音」が好みの方は他のシャフトがいいかもしれません。なんでエンドピンでこんなに音が変わるのかよく分かりません^^; シャフトだけでなく、「新構造」が効いているようです。

(2)フランスHarmonie社製フェルナンブコのテールピース
フェルナンブコのテールピースは、ドイツ製の廉価品もあります。これは現物も見て、重さも量りましたが、プラ製(AKUSTIKUS)よりも重く、見た目も悪かったです。
Harmonie社のものは、高いんですが、見た目は別物のように綺麗です。驚いたのは重さで、ほぼプラ製と同じです(±1g程度)。
私は今まではずっとWitterのアルミ製でした。交換して、音は柔らかくなるかと思いきや、シャープなほうに変化しました。値段がそこそこするので超お薦めというわけではありませんが、私自身は交換してよかったと思っています。
なお、面白いのは、サンプル品として付属してあったテールガットで、なかに繊維(ケブラー?)が入った紐のようなものでした。物は試しでテールガットはこの紐にしました。音質的にはこの部分の影響もあると思います。


1年以上継続して張り続けた弦は、スピロコアのCGD、ドミナントADGC、ベルカントゴールドADGCです。すべてトーマスティック-インフェルド社の弦です(そういえば、単なるベルカントは張ったことないな..)。
他、張ったことがあるのは、ラーセン(ノーマルAD・ソリストA)、コレルリ(ADGC)、ヤーガA、オリーブA(不安定すぎ..)です。
最近までさほど弦の交換に興味がなかったのですが(基本的には金がかかるという理由が大きい^^;)、ヴァイオリンの弦交換病がチェロにまで伝染ったようで。
弦選びで難しいのは、場所が変われば音も変わるということです。ホールでの演奏を主眼とするなら、音を鳴らせる人にホールで弾いてもらって自分は客席で聞いてみる、というようなことも必要だと思います。

さて、最近まではベルカントゴールドを張っていました。C線は高価ですが、いままで張ったものでは一番好きです。独特の「意味深い音」、弓圧をかけたときの音色の変化、(良い楽器で)響くところ(100畳以上は必要)で少し距離をおいて聞くと、底の見えない海のような深み・風格を感じます。A線は、デッドな部屋で聞くと固めに聞こえますが、ホールで距離を離して聞けば決して硬い音ではありません。
ただ、私の楽器には、完全にはマッチはしていない気がして、他の弦を試してみることにしました。
とりあえず、いくつか試したかったので、価格の安いここからヘリコアとオブリガードを輸入しました。この2セットと送料込みで$230ぐらいでした。

全体に非常にタッチが軽く、弦高の低い楽器では、軽すぎるぐらいだと思います。A線はチタン巻き、A線が重心低く深く鳴る良い楽器でないと真価はいかせないかも。私の楽器では、音が軽くなりすぎました。CGは柔らかい音ですが、アタックのゴリっとした感じが出にくく、あまり好みではありませんでした。2ヶ月ほど張ったと思いますが、結局、やめてしまいました。重音の音程が妙に(私にとっては)聞き取りやすかったのと、とにかく弾きやすいのは良かったのですが。高音の伸びは独特で、これは好きな人はいるかもしれません。 次にオブリガートです。これはシンセティックコア弦ですが、特に柔らかい音ではありません。全体に太目の音ですが、張った当初は弾きにくいのと、やや表情が出にくいような気がして、失敗したという感じでした。A線は少し金属的な感じが目立つ音です。ただ、ずっと張っているとある程度は慣れてきて、それなりに太い音にもなるし、ヘリコアのような軽いチャラチャラした音ではないので、かといって重いわけでもなく、まあいいかと使っていました。

その後、エヴァ・ピラッツィを使用。 これは不思議な弦で、全体的に少し派手さを抑えた、しかし渋いというより、ちょっとロマンチックな印象のある弦なのですが、音色の変化が出やすいようで、今の自分に欠けているものを補う、というより刺激してくれるような印象があり、気に入って使っています。オブリガートが少し背の高いやや鈍重な男性という感じだとすれば、エヴァ・ピラッツィは、優男か、もう少し中性的な感じです。やや倍音が抑えられた感じで、派手な音にはなりませんので、突き刺すような高音とか、激しいアタックは出にくいです。が、なんというか繊細な味が出やすいようです。トーマスティック社の弦は、この「ロマンチック」な感じはないので、多分同社の弦からこれに切り替えるとちょっと違和感があるかもしれませんが、試してみる価値はあると思います。特にA線が金属的な音色にならないので弾きやすいです。CGもよくコントロールされた音色だと思います。なお、CGについてはエヴァ・ピラッツィを試す前に、スピロコアのシルバー巻きを試してみましたが、どう聴いてもADのエヴァ・ピラッツィとは合わず(今までのAD-GCの組み合わせでは最も音色のつながりの悪い組み合わせでした)、どちらの路線でいくか悩んだのですが、CGもエヴァ・ピラッツィにしました。 あえて悪く言えば、少々タッチがズサンでもそれなりの音がしてしまうということで、多分、本当に鳴らす技術を持っている方には不満が出るかもしれません。私自身は、そのうち、ベルカントゴールドに戻すとは思いますが、もうワンセットぐらいは試してもいいかなと思っています。

現在はベルカントゴールドに戻しています。


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